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離島の地域課題と豊かさを知る 利尻島2024

執筆者の写真: 金子充金子充

2024年 社会福祉学科2年「福祉開発フィールドワーク」



2024年夏、金子ゼミ8人の利尻島グループは北海道利尻島(利尻富士町)に滞在し、離島における福祉と就労、起業と地域づくりをテーマにフィールドワーク(社会体験)をおこないました。(2023年の利尻島訪問記はこちら



北海道の最北にある利尻島は、かつてニシンで栄え、いまは利尻昆布、ウニ、ホタテ漁、そして観光業を柱としている人口約4千人の離島です。温暖化によってウニが採れにくくなり、さらに人口減少で漁師が激減しています。こうした島の地域・経済の現状を学びつつ、廃校の小学校に宿泊しながら自炊と自然体験をする短期プログラムを実施しました。


町役場での研修プログラムのあと、若手職員の方々との交流会を実施。島での暮らしや仕事、恋愛や家族事情などについて話をうかがい、卓球とバスケをして交流を深めました。


その後、「やきやき」=BBQをして、ホタテ、ニシン、鮭など北海道で多く獲れる魚介類を山のようにいただきました。

やきやきをしながらの本音トークでは、地元の若い方々がどのように島で過ごしているのか、都会との違いは何かという話をしました。例えば島にほしいものは何かという話では、ファストフード店や24時間営業のコンビニが欲しいという話があり、その意外性に私たちは驚きました。

利尻島の最大の課題は人口減少と漁業の担い手不足です。

利尻富士町では「漁業就労支援フェア」や「漁師道!」といったイベントで漁業に関心をもつ人々の移住・定住を促進しているそうです。

また、見学した「定住移住支援センターつぎのば」(利尻町)では、定住・移住の相談をおこなっており、カフェラウンジやコワーキングスペースを併設し、島内に暮らす方々の憩いの場となっています。

観光にも力を入れており、サイクリングやウインタースポーツで季節を問わず様々な形で島外の人々を呼び込むように工夫されています。登山やトレッキング、高山植物鑑賞など自然との触れ合いを取り入れた体験観光も多くできます。


高齢化率は40.2%。町には特別養護老人ホームやデイサービスがあり、すべて町の直営になっています。そして訪問介護は民間事業者「SOMPOケア株式会社」が運営し、町内のすべての介護サービスを担っているそうです。制度的に高齢者福祉サービスは充実しているような印象を受けました。

私たちは深夜に自転車で星を見に出かけ、これまで見たこともないほどの星(銀河)を見ました。さらに早朝には自転車で朝日を見に行きました。海から出てくる太陽はとても幻想的でした。(写真はそのとき撮影した満天の星空)


今回の短時間の滞在で、ゼミのテーマである「貧困・孤立」という問題は見えにくかったのですが、都会では感じることのできない人と人とのつながりや、島ならではの自然豊かさを感じました。そして地元を愛して地元のつながりを大切にしながら生きている方々の存在を知りました。島で出会った人たちは島外からきた私たちにも優しく、たくさんのもてなしをしてくださいました。

都会に住む私たちは普段、地域の人と交流する場はなかなかありませんが、島の人たちは島全体が家族のように過ごしている、ということを理解することができました。


島の自然豊かなところ、人の温かさ、食材のおいしさに感動し、「豊かさ」とは何かを考えさせられました。そして温かい気持ちでフィールドワークを終えました。



2024年「福祉開発フィールドワーク」利尻島グループ8人 報告会パワポより。

(文責:利尻島グループ8人)


 
 
 

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